高野山からの山中を通る小辺路の中でも、「果無越え」のコースはスタート・ゴール地のアクセスが良いコースです。
十津川側の登山口は温泉街から近く、十津川温泉に前泊するか、路線バスで「蕨尾(わらびお)」バス停からスタートします。
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登山口~八木尾までは10.4km、標高1,000m程度の上り下りとなるので、歩きなれた方向けのコースです。
十津川温泉からスタート
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このコースは十津川温泉または「蕨尾」バス停からのスタート。
登山口は十津川温泉から徒歩15分程度。登山口からいきなり急なのぼりの石段が始まります。
急峻な上り
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果無集落まで平坦なところはほとんどなく、急峻な上りが続きます。ここでがんばりすぎると先がつらくなるので、ここは休み休み上りましょう。
果無集落
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
上り口から約40分。果無山脈を見渡すその美しさから「天空の郷」と呼ばれる果無集落に到着します。昔ながらの古き良き日本の生活風景が残っており、のどかな雰囲気にひと休み。
天水田(てんすいだ)
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果無集落から上ること約40分。突然視界が開け、平坦なところがあります。ここが「天水田跡」で、この先の「山口茶屋」の住人が雨水だけを頼りに稲作をしたといわれています。
山口茶屋跡
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天水田跡から約10分で山口茶屋跡に到着します。
防風林と思われる杉の巨木や石垣が残っています。
観音堂
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山口茶屋跡から約30分で「観音堂」に到着します。
峠越えで唯一の水場となりますので、休憩を取って峠までがんばりましょう。簡易トイレも設置されています。
最高地点・果無峠に到着
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観音堂から、さらに急な上りが続きます。無理をしないで、休み休み上っていきましょう。約40分で本コースの最高点・果無峠に到着します。
峠には観音像や宝篋印塔などが残っており、果無峠には、龍神村方面からの果無縦走コースと合流しています。
花折茶屋跡
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果無峠から約20分。平坦な広場と石積みの跡がある「花折茶屋跡」 があります。
急な下りのなかに少し平坦なところもありますが、先で急な下りがありますので急がずに歩いてきましょう。
二十丁石
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花折茶屋跡から約20分。道の脇に「二十丁石」があります。文字もほとんど読めず道端にあるだけですが、他に丸い石はないので、 注意して歩けば見つかります。(写真奥から歩いてきたことになります)
この先、かなり急なところもありますので注意してください。
三十丁石付近からの眺望
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二十丁石から約20分。三十丁石の手前に、視界が開け本宮を望めるところがあります。
ここから先も急な下りが続きますので、眺望を楽しみながら一休みしましょう。
七色分岐
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三十丁石から急な下りを約25分。
県境の「七色」集落への道と、八木尾(本宮方面)への分岐点があります。辺りには防風林と思われる巨木や石積みの跡が残っています。
八木尾バス停まで、あと1時間近くは急な下りが続きますので注意して下りましょう。
八木尾へ到着
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七色分岐から、一部は木の階段もある急な下りが続きます。疲れた足には厳しいので、下りとはいえ休憩を挟みながら歩きましょう。
約50分で、八木尾の集落に出ます。民家の庭先を抜けるような道を通ると、国道168号線に合流します。合流したところには「八木尾」バス停があります。バスで十津川方面、本宮方面へ向かうこともできます。(便数は少ないので事前に確認してください)
なお、ここから「道の駅奥熊野古道ほんぐう」へは徒歩25分程度です。
道の駅を過ぎ、三軒茶屋跡で中辺路に合流して熊野本宮大社へは約1時間です。
※上記の案内は、ウォークマップより時間の余裕をもっています。急な上り下りとなるので、十分な準備をしたうえ、無理をしないペースで歩きましょう。(果無集落から八木尾までは、林道交差などもなく、途中でやめることができません)