11月23日の月が出たとき、山頂で法力を得た。村の衆も11月23日に山に登り、月出を拝むがよい。三体の月が現れるであろう。」
その昔、野で修業していた修験者に告げられた村人たちが、翌年の11月23日に山頂に登ってみたところ、月の左右からさらに一体ずつの月が現れ、三体の月が見事に登ったという云われがあり、熊野では、毎年旧暦の11月23日に、月待ち行事を行っています。
また、熊野本宮大社にも三体月にまつわる伝説があります。熊野本宮大社旧社地大斎原のイチイの巨木に降臨した三体の月は、自らを熊野三所権現であるといい、社殿を創って祀るようにと神勅を下しました。この命により大斎原に熊野本宮大社の社殿が創建されたと云われています。
旧暦23日の月は、二十三夜月と呼ばれ、深夜になってようやく姿を現します。熊野の山々に囲まれた熊野本宮は人工的な灯りが少なく、夜空には美しい星空が広がります。星空案内人のお話に耳を傾けながら、月待ちをしてみませんか。さあ、今年は三体の月を見ることはできるでしょうか・・・。
◆タイムスケジュール◆
22:30 受付開始
23:00 世界遺産熊野本宮館出発
23:20 大日山到着
23:30 星空観察会・月の出鑑賞
25:00 大日山出発
25:30 世界遺産熊野本宮館到着解散
◆お申込み・お問い合せ◆
熊野本宮観光協会
tel:0735-42-0735 e-mail:info@hongu.jp
・冬季の夜間、野外イベントですので、温かい服装でお越しください。
・バスから会場まで歩いて移動します。懐中電灯をお持ちください。
・現地会場には、暖房器具などはございません。焚火等もいたしません。
・現地会場には、簡易なトイレを設置いたします。
・ブランケット、アルミマットはこちらでご用意いたします。
・雨天中止です。当日の17時までに開催の最終判断を行い、中止の場合は個別に電話連絡いたします。天気予報で雨天が明らかな場合は、前日または前々日に中止を発表する場合もございます。
熊野地方は厚い信仰の聖地であり、神話・伝説が多くありますが、“三体月の伝説”もそのひとつです。
三体月観月会は、毎年旧暦の11月23日に行われています。
この伝説は、熊野三山で修験者が三体の月を見て神変不可思議な法力を得たと村人に伝えたと言われ、山の端より登る月が三体に分かれて見えるというものです。
下記の画像は、鑑賞会で実際は三体に見えなかった月が、デジカメで写したところ、なぜだか三体に写っておりましたのでご紹介します。
身近に残る三体月目撃談
大瀬地区の前久保さんは、お母さんから、「明治35年に三体月を見た」と聞いているそうです。ちょうど、馬頭観音さんの下手だったそうです。昔は三体月はみるものではないとされていたそうですが、時代が変わり、三体月観月会がおこなわれるようになりました。
雄大な歴史の中のロマンだった「三体月伝説」が急に身近になったような気がします。このようなお話が聞けるのも、本場”熊野”ならではです。
下弦の月
月を弓に例えて、上に弦があるように見える月を「上弦の月」だと思っている方がほとんどだと思いますが、実は昇ってくる時の状態で表すのではなく、沈んでいくときの状態で表すのだそうです。
東からあがってくるときは、弦が上を向いていますが、明け方西へ傾いたときには弦を下にしています。これが「下弦の月」です。